Project #2

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Project #2

人と人との交流から、
新たなにぎわいを。

蔵前JPテラス

2023年春、蔵前の地に、大型複合施設が誕生しました。オフィス、賃貸住宅、高齢者向け住宅、物流施設、保育園、店舗など多彩な機能をひとつに集約した大型施設。さまざまな人・文化が融合する蔵前らしさを活かして、人と人との交流が生まれる場づくりに力を入れています。本プロジェクトの魅力を、開発チームの皆さんに聞きました。※このページの内容は、取材当時の情報です。

さまざまな文化が融合する
街に、多様な施設を。

本プロジェクトにおけるテーマを教えてください。

大渕もともと蔵前という場所は、江戸のお米蔵があった地域。商売で栄えた街なんです。街を歩いてみるとわかるのですが、そこかしこに今でも昔ながらの職人さんがお店を出している。花火をつくる方もいれば、金物をつくる人もいて。ものづくりと商売の街だと思います。

甲野その一方で、最近は新しいお店も増えてきました。新しいカフェだったり、倉庫を改装したホテルなんかも建っています。新旧の文化が共存する面白い街なんですよね。

遠山その空気感をそのままに、多様な人や文化が融合する施設をつくろうとしたのが今回のプロジェクトです。コンセプトは「ここから、暮らしにたくさんの笑顔を~Let’s live with smiles ! ~」。ライオン株式会社様の本社をはじめとしたオフィス棟、賃貸住宅や高齢者向け住宅のある住宅棟、物流施設、さらに保育園や店舗も併設され、幅広い世代にご利用いただける複合施設になる予定です。

大渕梅田さんはこの中では最年少ですが、どうでしょう? 若手の目線から感じたことはありますか?

梅田個人的な話ですが、以前よりまちづくりに興味があったので、今回のプロジェクトに携わることで、自分がやりたかったことが実現できている実感があります。私たちの仕事は、街をつくり、誰かの暮らしを豊かにする仕事なのだと改めて感じています。

遠山そうですね。大前提として、そもそも私たち日本郵政不動産は、地域に根ざして、地域とともに発展することを考えた不動産開発をしています。ですから今回も、ご入居いただく運営者の方々と協調しながら、蔵前の街の魅力の向上に貢献し、街になじむ施設を目指しています。

竣工はゴールではない。
まちづくりは続いていく。

物件として、アピールしたい点はどこですか。

甲野まずは、オフィス棟について。ライオン様といえば、ヘルスケアのリーディングカンパニー。そのブランドイメージに沿うように、クリーンに、そしてウェルネスを意識したオフィスをライオン様と一緒に計画しました。たとえば、生産性を向上させる、仕事に集中できる空間をつくったり、休憩中にリフレッシュできるスペースを設置したり。その結果、「CASBEE-スマートウェルネスオフィス」という建築物の総合的環境性能およびオフィスにおける快適性や健康性に関する取り組みを評価する仕組みで、最高のSランクを取得しました。

遠山それから賃貸住宅と高齢者向け住宅、そして保育園も同じ施設にあるのはめずらしい試みだと思います。特に高齢者住宅って、従来は高齢者住宅だけで独立していることが多かったんですよね。人との交流がどうしても限られてしまい、お年寄りの方たちも寂しい思いをすることになってしまう。例えば、同じ施設内の賃貸住宅に住む若い世代や、保育園に通う子どもたちとの交流があれば、みんなが楽しく過ごせる、すこやかな時間をつくれるかもしれない。そういった想いでひとつの施設の中に、さまざまな機能を持たせました。

梅田いろんな世代の交流が、自然に生まれる場所になってくれたらいいですよね。蔵前は元来、下町らしいというのでしょうか、「ご近所付き合い」を大切にする文化がある。その文化にならうように、この施設でも多くの人が「ご近所」同士のつながりを感じてもらえたらと考えています。

大渕利用者の方の交流を生み出す仕組みについても、色々企画があるんですよね。若手チームが頑張って。

遠山そうです。幅広い世代の方をターゲットにしているのに、40代男性ばっかりでチーム組んでちゃダメだろ!って(笑)。若手を招集しました。

梅田私もそのチームの一員でした。屋上には庭園や菜園、1階には地域の人がお散歩がてら、ちょっと立ち寄れる小径など、人と人との交流が生まれるスペースがたくさんあります。

遠山梅田さんは、このプロジェクトに携わってみたことで新たな発見などはありましたか?

梅田もちろんありました。私は建築関係の学科出身なのですが、学生時代は建物を利用する人の空間的な使いやすさや居心地のよさだけが、建物を計画する上で大切だと考えていました。しかし若手チームで集まって、人々の交流を生むための企画をしてみて、はじめて大きな施設に人が入って、利用していただくためには、さまざまなサービスや維持管理オペレーションの構築が必要であることに気づきました。設計して終わり、建てて終わりじゃなくて、ちゃんとお客さまに使ってもらって、喜んでいただくまでが私たちの仕事なんだと今では思っています。

甲野それは、大事な気づきですね。

梅田オフィスで働く人が、屋上の庭園でお昼ごはんを食べるとしたら。保育園にお迎えに行った帰り、子どもをつれてパン屋さんや小径に立ち寄るなら。具体的なシーンを思い浮かべ、利用したくなる場所をつくることを大切にしています。

蔵前の街になじみ、
愛される施設へ。

蔵前一丁目を、今後どんな場所にしていきたいですか?

大渕若い人にも注目されていたり、丸の内や日本橋といった都心へのアクセスも良く、利便性も高かったりと、蔵前は非常にポテンシャルの高いエリア。この街を、これから入居していただく方や利用していただく方に、もっと好きになってもらえるような、そんな開発をしたいと考えています。

梅田人との交流が生まれたり、この地域特有のものづくりの文化を発信できたりと、蔵前の街になじんで、地域の方々に愛着を持っていただける施設になったら嬉しいです。

甲野日常的に庭園でくつろいだり、菜園で採れた野菜やハーブなどを楽しんだり。休日にはガーデンパーティーのようなイベントが催されたり。施設全体を通じて、ウェルネスも意識しているのでヨガやウォーキングなどを楽しんでいる人の姿も想像しています。

遠山そうですね。多くの方に利用してもらって、楽しい時間を過ごしてもらって、また来たいと思ってもらえる場所。蔵前の土地そのもののように、この施設も人と人との交流がたくさん生まれる、にぎわいのある場所になって、街に貢献できたらいいですね。